金融支援のあり方勉強会が方向性提示 組合向け融資に向けた信用スキーム確立を検討 各主体の連携で金融の有用性を訴求

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住宅金融支援機構が設置した「マンションの価値向上に資する金融支援のあり方勉強会」で、今後取り組んでいくべき方向性がまとまった。適切な修繕工事を実施する上で金融の有用性を訴求する活動の検討や、管理組合に融資する際の信用や回収方法のスキームの構築などを柱にし、具体的な取組方法を探っていくことにしている。勉強会では、今回まとめた方向性を議論のたたき台にし、2019年2月に予定されている最終会合で今後の取組方針としてまとめる。テーマによっては、2019年度に分科会など新たな組織も設けながら、検討の実現を目指して議論を深めていく。

 勉強会は8月に設置され、行政やマンションの関係団体、民間金融機関、有識者を交えてマンション側、金融機関側双方からみた課題について議論してきた。11月に開催した第3回会合では課題を整理し、中間的なまとめとして今後の取り組みの方向性を示した。

 方向性として提示したのは、①適切な修繕の必要性と、実施に関する金融の有用性に関するPR活動、②マンション版ライフサイクルシミュレーションの作成、③管理組合向け融資に関する信用補完策の検討、④融資手続きの簡素化や融資要件の見直し―の大きく4点が柱となっている。修繕工事の必要性や金融の有用性のPRについては、長期的な視点に立って修繕の計画を見通し、資金計画を立案していくことがマンションの長寿命化や資産価値向上に必要とし、資金を確保する上での融資の有効な活用方法や、融資を活用した成功事例などを提案していけるようにする。勉強会では金融機関に融資の提案だけでなく組合運営のサポートや長期修繕計画の妥当性判断を求める意見が挙がったものの、金融機関側ではそうした知見が少ないという課題もある。そこで、行政やマンションの関係主体、金融機関がPR活動や組合へのサポート業務の実施を連携して進めるという方針も掲げた。具体的な活動方法を今後検討していく。

 管理組合向け融資への信用補完策については、金融機関側から融資対象となる管理組合を信用する上での枠組みや、融資の返済が難しくなった際の担保の設定方法などで課題があるとの指摘が寄せられており、そうした論点を整理していくことにした。保証制度の必要性のほか、大規模案件で住宅金融支援機構と金融機関による協調融資などのスキームの構築などがテーマとなる。具体的な内容は2019年度も継続して議論の場を設けて検討を深める。

 このほか、マンション版ライフサイクルシミュレーションは、まずは管理組合が長期的な視野をもった資産計画を設定できることが必要になるため、住宅金融支援機構がこれまで実施してきた管理組合向け融資のデータを生かして簡易的に試算できるものとする。管理組合が検討する上で比較できる事例などを集め、適切な修繕積立金の設定などに生かしてもらう。また、融資手続きに当たっての書類の簡素化などによる負担軽減、融資を受ける上での要件緩和による融資へのハードルを下げる取り組みも進める。

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