管理状況が流通市場で評価される仕組みを構築へ 不動産業界一堂に会す研究会を9月に設置 マンション管理業協会

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マンション管理業協会は、マンションの管理状況が不動産流通市場で評価される仕組みを構築するため、9月にも不動産業界全体を巻き込んだ研究会を設置する。6月11日に開催された2019年度定時総会後の懇親会で岡本潮理事長が明らかにした。不動産流通に関連する業界団体やデベロッパーの関連団体などが一堂に会し、管理に関する情報開示のあり方や適正な評価を行うための基準などを検討する。早ければ年内にも一定の方向性を示す見込みだ。
岡本理事長は「マンションの管理レベルを定めるなど、一般のマンション購入者にも管理の状況をわかりやすい指標で開示することを考えなければならないと思っている。関連する諸団体や官公庁と相談する中で、管理の状況についてその適切・適正な評価を行うための基準作りに関する研究会の設置を呼び掛けてきた。概ね賛同の意向をいただいており、できれば9月に初会合を開催できるように調整している」と研究会の設置を表明した。居住者の高齢化と建物の老朽化による「二つの老い」を背景に管理組合の運営が厳しく、そのサポートを行う管理会社の経営も厳しさが増していると訴えた上で、「マンションの問題は社会問題と申し上げてきたが、この状況が続くと日本の社会の生活基盤であるマンションの劣化、あるいはスラム化が本当に起こってくる。業界としては特に力を入れる課題としてこの問題解決に当たっていく。マンションの管理のレベルが不動産流通市場で適切に評価されるため、管理の情報に関する開示が適切に行われる仕組みづくりを検討する」と設置の趣旨や背景も重ねて説明した。
研究会への参加団体は、各団体と詳細を調整した上で確定させる。管理協は初会合に先駆け、7月にも協会としての考え方を整理する検討組織を設ける予定だ。研究会の場で不動産業界として管理や既存住宅に関する現状の課題や今後の取り組みについて情報共有し、一定の方向性を示す。示された方向性の実現に向け、国にも施策の実施などを働き掛けていく。同日開催の総会で決定した2019年度事業計画では、管理のレベルの適正な評価や管理の質の高度化について、実態調査や会員の意見聴取、関係団体などとの意見交換をもとに各種法令の見直しの議論につなげると記載した。

◆外国人労働者の管理員受け入れ検討など盛る
副理事長に矢内、駒田両氏選任

事業計画ではこのほか、会員企業が大規模修繕工事や関連業務を客観的な立場で受注できる枠組みづくりや、協会としての長期修繕計画のモデル検討などを盛り込んだ。外国人労働者の管理員として受け入れるための体制の検討やIT化の推進も掲げる。岡本理事長は外国人労働者の活用やIT化推進について、「3月には外国人技能実習制度にマンションの共用部分の清掃も組み入れられたが、中期的には管理員の技能実習制度組み入れを視野に検討や働き掛けを行いたい。業務の生産性向上も課題であり、IT重説についての制度改定などの働き掛けを進めたい」と表明した。
総会では2018年度事業報告・決算や2019年度事業計画・予算、役員改選などを審議し了承した。役員改選により、東京建物アメニティサポートの矢内良樹社長と三菱地所コミュニティの駒田久社長が副理事長に就任し、野村不動産パートナーズの福田明弘社長が新たに理事に選任された。懇親会では2018年度ベスト支部賞の表彰式も開催し、北海道支部を表彰した。

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