管理協が国交省の不動産業ビジョン策定で意見表明 管理の質向上へ、ガバナンスや情報開示を評価する方策検討

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マンション管理業協会は、国土交通省が策定を進めている不動産業の方向性に関する中長期計画「新・不動産業ビジョン」の議論に参加し、業界が抱える課題や今後の活動について表明した。注力する課題にマンション管理が市場価値に正しく反映させる仕組みづくりなどを挙げ、価値を認められたマンションに住みたいと思われる機運を高める必要があると主張した。国交省は、適切な管理が評価されるために管理組合のガバナンスや情報開示の姿勢などを評価する方策を考えたいと応じた。
 新・不動産業ビジョンは、東京オリンピック・パラリンピックの開催や少子高齢化、人口減少社会などの社会情勢を踏まえ、2030年を見据えて不動産業が持続的に発展するための方向性を示すものとする。国交相の諮問機関である社会資本整備審議会に不動産部会を設け、有識者を交えて内容を検討している段階で、不動産業に関係する団体からも現状や課題、今後の活動などをヒアリングしビジョンに反映させる考えだ。1月30日に開かれた同部会には管理協から広畑義久専務理事が出席し、業界の状況を説明した。
 広畑専務理事はこれから特に注力する課題として、①管理組合財政の健全化、②マンション管理会社の経営安定化、③マンション管理が市場価値へ正しく反映される仕組みづくり─の3点を挙げた。協会の活動としては、良質な維持管理により居住価値が向上するマンションが流通市場で価値を認められ、そうしたマンションに住みたいと思われる機運を醸成していくと説明。その上で「管理の質が市場価値に正しく反映されるようになっていないのが実態だ。現行の価格査定マニュアルでも、査定の判断が管理費の価格によるものか、管理の質によるものなのか顧みられていない。管理組合の意識の変革や情報開示ができているマンションは資産価値が高いということが定着していかないと、管理の先行きは暗い」と訴えた。
 部会に参加している有識者からは、管理の質を評価するための情報開示を進める必要性と、それに伴い管理会社が担う役割について指摘する意見も挙がり、広畑専務理事は「管理組合の運営は経営者的な視点も求められ、専門知識を持たない役員が取り組みを進めるのは難しい面もある。組合の活動を支援できる管理会社となれるかどうかが、企業の評価になるのではないか」と、情報開示への取り組みを管理会社がサポートする方向性に言及した。また、管理のガバナンスに対する支援も必要とする意見も出された。
こうした意見を踏まえ、国交省土地・建設産業局の須藤明夫・不動産業課長は「マンションの適切な管理が評価・格付けされ、それにより適正な価格で取引されるとともに取引の慣行として定着するという段階を踏む好循環をつくらなければいけない。建物などハード面に対する支援だけでなく、ガバナンスや情報開示への評価など、様々な観点から管理の質を高める方策を考えていく」と表明し、管理の質について検討を深めていく考えを示した。

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