東京都の管理不全マンション対策 昭和58年以前の約40万戸を検討

政策動向

 東京都の「マンションの適正管理促進に関する検討会」(座長=齊藤広子・横浜市立大学教授)は5月14日に第2回会合を開催し、管理状況を把握する対象の範囲と、管理状況を把握するために管理組合に求める報告(届出)内容、頻度などについて検討した。

 会議の冒頭、都によるマンションへの関与の程度や、マンション管理適正化法との関係が問われた。これに対し座長代理の篠原みち子氏(弁護士)、委員の北村喜宣氏(上智大学法科大学院教授)らから、都の積極的関与は必要であり、適正化法の趣旨にも適合しているという意見があった。また、管理不全マンションやその兆候の定義についても話し合われ、管理不全は外壁が崩落するなどの「負の外部性が生じている状態」とし、管理不全の兆候は「負の外部性が発生する兆候」との整理がなされた。

 都は今回の会合で、管理状況の報告(届出)を求める対象として、管理組合に関する明確な規定がなかった1983年以前の区分所有法のもとで建てられたマンション(適正化法対象のマンション)のうち6戸以上のものというイメージを提示した。有識者からは、5戸以下のマンションでも管理不全が発生しているとのコメントがあったが、1983年以前のものでも管理不全の疑いのあるマンションには報告(届出)を求めるとすることから、1983年以前の6戸以上のマンションが報告(届出)となることで一致した。都内の分譲マンションは約5万3000棟あり、そのうち1983年以前のマンションは約1万5000棟・約43万戸とされている。1983年以前のマンションのうち5戸以下のマンションが約1000棟とされていることから、都の管理状況の把握対象は約1万4000棟・約40万戸になる。

 報告(届出)の頻度については、篠原委員より、管理組合などの負担を考慮して5年位がよいとの意見が出された。会議では、豊島区のマンション管理推進条例も施行5年を迎えるなかで、一斉届出を求めたのは1回のみであることにも触れた。

 また、都はマンションに求める報告(届出)内容として、連絡先などの基本情報や、管理不全の兆候を判断する項目、管理を適正に行う上で重要な項目などの35項目を示した。管理不全の兆候を判断する項目は、①管理組合、②管理者、③管理規約、④総会開催、⑤管理費、⑥修繕積立金、⑦大規模修繕工事、それぞれの有無。管理を適正に行う上での重要な項目としては、設計図書、修繕履歴、防災組織などが挙げられた。委員からは、管理不全の兆候を把握するために求める報告(届出)であることから、一部については任意で報告(届出)を求めることがふさわしいのではとの意見が出された。また、町会への加入など、地域とのコミュニティ形成への取り組みが行われていないことや、賃貸化戸数が多いことなどは、必ずしも管理不全の兆候を示すものではないとの意見があった。

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