国交省、マンションなどのエコリフォームを支援 今年度2次補正予算、戸当たり30万円を補助

政策動向

国土交通省は、今年度第2次補正予算で計上された住宅ストック循環支援事業のうち、マンションなど持ち家の省エネ性能を向上させるリフォーム(エコリフォーム)に対して、1戸当たり30万円(耐震改修を行う場合は45万円)を限度額として補助する。今年12月31日までに完了する工事が対象となる。国土交通省住宅局住宅生産課の村上慶裕・住宅ストック活用・リフォーム推進官に制度の内容について解説してもらった。

リフォーム後の耐震性確保が必要
工事の合計額が5万円以上を対象

住宅ストック循環支援事業は、昨年8月に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」の中に位置づけられている。「未来の投資を実現する」ということなので、既存住宅流通・リフォーム市場というストックを活性した住宅市場育成を目指している。従来、何度か補正予算で住宅エコポイントや省エネ住宅ポイントなどを実施していたが、今回の制度は、ストックに寄せた形で制度を組み立て直し、ポイントではなく補助金であることが大きな違いだ。
 補助事業は、①住宅のエコリフォーム、②良質な既存住宅の購入、③エコ住宅への建替え、と3つあり、そのうちマンションで使えるのは、主に住宅のエコリフォーム。従来と大きく違うのは、リフォーム後に耐震性が確保されていることが必要なことである。補助事業として扱っているため、補助申請手続きが必要となる。補助申請は全て事業者にしてもらう。住宅取得者や個人ではなく、間に入って事業を行う事業者に申請してもらう。ただし、補助金分は住宅の持ち主や購入者に還元する。
リフォームで対象になるのは、耐震性があることなので、建築時期で分けるのが大前提。建築基準法上の大きな耐震基準の変更を行った1981年6月1日より前に建ったかどうかで基本は分ける。ただし当然耐震改修や耐震診断を行っているケースがあるため、その都度確認する。
補助が受けられるのは、住宅の省エネ性能を高めるのが大前提となっており、三つの工事がある。まず開口部の断熱改修では、窓のペアガラスへの交換や内窓の設置、外窓の交換が対象となるほか、ドアの交換を今回追加した。屋外に面していて外から鍵をかけられる部分というのを追加している。もう一つは躯体の断熱改修で、外壁や屋根、天井、床の部分に断熱材をいれることが対象になっている。三つ目は設備エコ改修で、太陽熱利用システムや節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓の5項目があり、このうち三種類以上を実施する場合が対象になる。以上の三つの工事のいずれか一つが必須で、かつ補助の合計額が5万円以上となることを条件としている。従来は窓一枚の交換からでも対象にしていたが、さすがにそれでは性能は上がらないため、補助額で一定以上までしてもらえれば対象にするということで足きりを設定している。
補助事業については、同じ部分に他の補助金との併用は不可としている。あとは三つのうちのいずれかを実施した上で、①バリアフリー改修、②エコ住宅設備の設置、③木造住宅の劣化対策工事、④耐震改修、⑤リフォーム瑕疵保険への加入、のいずれかを行うと対象になる。④は追加で行えば対象になる。ここで行うものについては、その製品が一定の省エネ性能があるというのを事務局で確認して登録しているのものみになっているので、何をつけてもいいわけではない。承認された製品以外は対象外で、この考え方は従来と変わっていない。
通常の補助事業はかかった工事費に対して補助率をかけて補助金額を出すが、今回は行った工事の内容によって決め打ちで補助額を設定している。気をつけるべき点は、三つの工事の合計額が5万円以上であることと、バリアフリー改修(手すり設置、段差解消、廊下幅等の拡張)およびエコ住宅設備の設置(1種類または2種類の設置)で各1カ所のみ対象というのが、種類ごとで補助額を出すという意味である。
マンションでは、管理組合が発注者の場合、共同住宅(共用部分)のリフォーム工事として、内窓をのぞく窓、躯体の断熱改修、耐震改修は対象になる。リフォーム瑕疵保険については、大規模修繕工事があるので、これに入れば対象になる。共同住宅の共用部分として管理組合が管理する部分については、管理組合の発注で対象になり、専有部分として個々の居住者が行う場合、内窓や設備、バリアフリー改修については、専有者が発注者として発注する工事が対象となる。
それぞれで5万円以上になっていれば申請が可能だ。管理組合発注の場合、発注額として5万円以上の補助額があればいい。限度額は基本的に積み上げなので積み上げた上で対象戸数にかけて上限額で切ることになる。従来と変わっているのはバリアフリー改修工事で、従来は手すりを3カ所つけると3カ所足せたが、今回は種類ごとで金額を決めているため、注意が必要だ。
事業者が補助事業者として申請をしてもらうが、登録されているものについては基本的に許可を持っている事業者は事務局で申請タイプごとに検索できる。都道府県知事や大臣から許可を取っている、または法人の番号などを見られるようにした形で事業者リストをあげているので、依頼される場合には事業者登録を確認してもらう必要がある。事業者登録完了以降に契約を締結したものが対象になるので、そこは注意が必要だ。
マンションの場合は、基本的には管理組合の発注なので管理組合の理事長が一緒に手続きをしてもらうことになる。補助金を発注者に還元するということにしているため、事業者が交付申請を行うタイミングで補助金の受け取りについて補助事業者であるリフォーム事業者と発注者で規約を結んでもらって出していただくことになる。代金と相殺する、例えば1000万円かかる工事で100万円もらえる場合、まず900万円払って残りの100万円は補助金が入ったらその分で相殺する。もしくは、1000万円払っておいて、100万円入ったらその分を施主に払ってもらうかを選んでもらう。そこで規約を結ぶ必要がある。対象となる工事契約書は書面で交わしてもらう必要があるが、事業者だけではなく施主も印鑑を押す書類があるのでそこは協力してもらう必要がある。当然事業完了後に発注者がそこに住んでいることを確認するので発注者の住民票の写しを出してもらう。マンションの場合、基本的には管理組合発注の場合理事長の住民票が確認できれば問題ない。個々の居住者が行う場合、当然それぞれが発注者として手続きを行ってその人の住民登録を出してもらう。つまり、専有部と共有部は別の工事契約だし、別の申請になるというところだけ気をつける必要がある。
事業者登録は昨年11月1日から始まっている。対象になる工事契約は事業者登録が行われたもので、事業者登録については2016年度の補正予算であるため、今年3月31日)までしか受け付けていない。契約については本来年度内にしてもらうが、2017年6月30日までのものは受け付ける予定にしている。しかし、予算の中で行っているので、早めに多く申し込みがあれば早めに締め切る可能性がある。工事が終わってその確認が済み、補助金を払って事業が終わる形なので、2017年12月末までには工事を終えて引渡しを受けて事業者から報告書を提出してもらう必要がある。

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