マンションの価値向上を金融支援 勉強会開催で金融インフラのあり方議論 住宅金融支援機構

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 住宅金融支援機構は、老朽化マンションの適切な修繕や維持管理が実施できる金融インフラを整備するため「マンションの価値向上に資する金融支援のあり方勉強会」をこのほど設置した。居住者の高齢化などで修繕工事の資金が不足し、管理不全やスラム化につながる懸念も寄せられることから、修繕工事に融資制度を活用できる点を管理組合に周知する仕組みや、民間金融機関がマンションの修繕への融資に参入するのを後押しする体制などを検討する。年度内に5回の会合を開き、2019年2月にも今後の取組方針を打ち出す考えだ。

 勉強会は、同機構が事務局となり、国土交通省、東京都、マンション管理センター、住宅リフォーム・紛争処理支援センターのほか、関係団体からマンション管理業協会、マンション計画修繕施工協会、日本マンション管理士会連合会、全国マンション管理組合連合会が参加。民間金融機関からは、みずほ銀行やりそな銀行、きらぼし銀行、朝日信用金庫、東京東信用金庫、西武信用金庫、三菱電機クレジット、リコーリースが出席した。

初会合の冒頭、挨拶に立った同機構の北真夫理事は「管理組合が修繕を実施する上で、金融の仕組みを活用していただくことも重要な選択肢になると考えているが、金融の活用は限定的に捉えられているとともに、金融インフラの整備も進んでいない面がある。勉強会では対応策を検討し、何らかの形にしていきたい」と開催の主旨を語った。座長には戎正晴弁護士が就き、業界団体が説明した現状の取り組みや課題について意見交換した。

 同機構では、マンションストックの老朽化が進んでいるのに加え、区分所有者の高齢化や工事費の高騰で修繕に関する資金の確保が難しい状況にあると把握。こうした課題への対応に融資制度の活用も選択肢になるとみている。一方で、共用部分のリフォームローン市場をみても、個人向けの住宅ローンなどと比べ「数百分の1の規模」(同機構)と、金融機関の関心が低いのが現状だ。融資制度の内容や金利の相場観などが定まっていないこともあり、管理組合側でも制度への理解が浸透しておらず、活用に二の足を踏む状態にある。

 勉強会ではこうした状況を踏まえ、まずは管理組合への制度の周知などによる認知度の向上と、管理組合向け融資への民間金融機関の参入支援の2つを検討テーマに掲げている。認知度の向上では、行政や関係団体と連携した修繕工事の必要性や融資制度のPRのほか、工事関連データの整備による資金計画シミュレーションの作成などを念頭に置く。金融機関の参入支援に向けては、借入金の延滞に陥る可能性が管理組合に発生した場合の対応や、複数の金融機関による協調融資のほか、建物の形状や築年数、管理組合のガバナンスなどで個別性の高いマンションの管理組合への融資の方法などが検討の焦点となる見込みだ。

 今回の検討では東京圏での対応に重点を置き、それをもとに将来的にほかの都市での対応に水平展開していく。

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