インタビュー/マンション管理業協会理事長・岡本潮氏 市場価値を上げるためには所有と経営を分離しなければならない

コラム/インタビュー


 共通見積書式を一昨年策定したが、なかなか根付かない。それは努力していることやサービスの内容が市場で評価されていないからである。共通見積書式によって定めた管理業務の仕様に基づいて市場での価値を決め、努力することによってその価値を高めていくという仕組みをどうしてもつくりたかった。今回の研究会は想定していたより範囲が広がったし、かなり早い段階でスタートできた。それはマンションの問題が大きな社会問題であるという認識が広がってきたからだと考えている。政策も世の中も今までは新築のマンションに目が向いていたが、実際に住んでいる人たちがいる655万戸のマンションの方に向き合うようになり、コミュニティ形成や合意形成の仕組みなど、マンション生活者をサポートすることの必要性がようやく注目されるようになった。
 マンションで暮らすことの居住価値と資産価値を正面から見直さなければいけなくなったことに、我々の提案が受け入れられる素地があった。区分所有マンションは建物が複雑になってきているため、近代的なバリューアップを行っていく、つまり市場価値を上げるためには所有と経営を分離しなければならない。マンションの所有者が日々の管理をマネジメントのプロに任せて自分たちが住むマンションの市場価値を高めてもらうということが必要だ。ただし、区分所有マンションはいろいろな考えや価値観を持った人たちが住んでいるので、オフィスビルや1棟もののマンションのようにはいかない。そのための仕組みがいる。価値を上げるというのは建物施設のレベルだけではなく、生活をサポートするサービスのレベルも高めることなので、価値が上がると生活レベルが上がる。そういうマネジメントを売り出すことがビジネスとしてしっかり成り立つようにしたい。

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