「裁判事例」からマンション建替え手続きを考える研究会を開催

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旭化成不動産レジデンス・マンション建替え研究所

旭化成不動産レジデンスのマンション建替え研究所(林善史所長)は、第17回「マンション建替え研究会」を開催し、大木祐悟主任研究員が「『裁判事例』から建替え手続きを考える」というテーマで同社の建替え事例などを中心に講演した。
大木氏は冒頭、「判例や判決に同じものは一つもないと考えるべき」とした上でこれまでの裁判事例として、①法律の規定が無効だとするもの、②建替え決議が無効だとするもの、③建替え組合設立が無効だとするもの、④売渡請求権が無効だとするもの、⑤売渡請求権の行使額に係る問題─を挙げて説明した。
建替え決議が無効だとする裁判については、同社の事例を含む3件を取り上げた。一つ目は建替え決議に先立つ建替え推進決議が無効だから建替え決議も無効とする主張が展開された事例。二つ目は理事長が建替えに反対したケース。三つ目は建替え決議の無効が裁判で確認されたケース。一つ目のケースでは、建替え決議集会の招集者について、その資格を有するか否かを事前にチェックすることが必要だとしている。二つ目のケースでは、理事長が建替え決議集会の招集を行わなかったので、建替え決議に反対した理事長への催告は、区分所有者と議決権の各5分の1以上で行ったと説明。三つ目の事例は借地期間60年の地上権マンションで、敷地の特定がなかったことや地上権の処理について明示がないこと、隣接地の所有者が誰で、その人物の再建建物における権利関係が一切不明であることの理由によって、建替え決議が無効とされたと解説した。
最後に大木氏は、建替えマンションのすべてで裁判が起きるわけではなく、建替え決議で全員同意となるマンションも少なくないと指摘。ただし、万が一裁判になったときのことを考えて手続きについては適法に進めるべきだとしている。また、合意形成の過程で思いもしない人物が強硬な反対者となることも視野に入れておくべきだろうと助言した。

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